今年も残りわずかとなりました。年が明けると駅伝三昧の駅伝ファンの皆さんが多いのではないでしょうか。特に箱根駅伝の注目度は年々増しているように思い、今回もどのようなレースが繰り広げられるのか、楽しみにしている方は多いと思います。当日朝の区間変更を受けて、走る選手が確定しますが、ある程度それも見据えながら、展開と順位予想をしてみました。(所々敬称略あります)
※エントリーについては以下を参照くださいませ。
<1区>
有力選手:目片(青学)、円(駒澤)、児玉(東洋)、山谷(東国)、溜池(中央)、横山(創価)、小野(帝京)、松永(法政)、久保田(大東)、富田(明治)、野村(城西)、間瀬田(早大)、林(立教)、木村(専修)、綱島(国士舘)
改めて見てみると、どの大学もエース級の選手を既に配置していますね。一方で、有力校では順天堂、國學院が隠してきています。1区は重要ですから、どのような展開になるとしても、この選手で行こう!と監督は決めることが多いのかもしれません。当日変更で中央の吉居大和選手が入るとすれば、前回のようなハイペースの再現になる可能性もありますが、大和選手が入らないとすれば、例年通り?六郷橋辺りまでは集団でラストの競り合いといった展開になるかもしれません。隠していそうな順天堂が三浦選手を投入してくるとなると、中間点辺りからロングスパートを見せてくれるのではないかと期待しています。また、全日本1区で飛び出した青学の目片選手がどのような展開に持っていくかが楽しみです。ただ、箱根は距離が長いので、大逃げを図る選手はそれほどおらず、鶴見では多くの大学は秒差の展開になるような気がしますね。
<2区>
有力選手:近藤(青学)、田澤(駒澤)、石田(東洋)、丹所(東国)、創価(ムルワ)、内田(法政)、石塚(早大)、藤本(日体)、國安(立教)、ムルア(山梨)、石原(東海)、カマウ(国士舘)
注目は駒澤の田澤選手が区間記録を更新できるか、青学の近藤選手が田澤選手にどれだけ迫れるか、または最後に先行するのか、に特に注目が集まりますね。また創価ムルワ選手は経験豊富ですので、区間賞争いには絡んでくるでしょう。東洋は松山選手を欠く中、石田選手がエントリーされており、このまま出走と思いますので、どこまで粘れるかも楽しみです。法政内田選手は非常に調子が良さそうですし、東海石原選手が2区をどう攻略するのかにも注目したいですね。有力校では、順天堂、國學院、中央が隠しているように思えますね。國學院は順当にいけば平林選手のように思えますので、田澤選手や近藤選手にどこまで食らいつけるか、注目しましょう。戸塚中継所では、駒澤、創価、青学が前に付けることになりそうです。
<3区>
有力選手:横田(青学)、伊豫田(順天)、山森(創価)、山本(國學)、井川(早大)、関口(立教)、花岡(東海)
この辺りまでくると、単独走で前を追わなければならないケースとなることも多く、スピードがあり、単独でも走れる選手が走ることになります。一方で、12km手前には湘南海岸に出ることになりますので、風の影響を受けやすい区間です。有力校では、青学は横田選手、順天堂は伊豫田選手、國學院は山本選手、早稲田は井川選手など主力を起用しています。青学は前回のようにこの区間で先頭に立ちたいところ。國學院も前回同様にこの区間で上位に上がり4区以降に勢いを付けたいです。一方、区間エントリーを見ると、当日変更がありそうな印象を受けており、もしかしたら、当日の天候を踏まえて(向かい風? or 追い風?、気温は?)、起用する選手を決める大学も多いのかもしれません。中央は当日変更で吉居大和選手がここに入るとも言われており、大和選手が入るとすれば、ここでトップ3に入りたいですよね。駒澤はスーパールーキーの佐藤圭汰選手が入るとも予想され、そうなるとここで抜け出したいところ。創価はこの時点でトップ付近を走っていると思いますので、良い流れで4区に繋ぎたいです。一方、2区まで耐える展開となる東洋は当日変更がありそうな区間エントリーです。ここから、じわじわと追い上げていきたいところ。3区終了時点では青学、駒澤、創価、國學院、中央辺りは上位でレースを進めているのではないでしょうか。
<4区>
有力選手:黒田(青学)、石井(順天)、鈴木(駒澤)、柏(東洋)、ムセンビ(東国)、吉居駿恭(中央)、嶋津(創価)、櫛田(明治)
この区間は選手層が現れる区間で、タイム差がつきやすくなる印象です。青学は黒田選手が入っており、そのままもありそうですが、往路優勝を確実なものにするために、岸本選手辺りが入るかもしれませんね。順天堂は3年連続の石井選手。前回同様3区伊豫田選手で勢いが付いているはずですので、ここも追い上げる区間としたいです。駒澤は鈴木選手の復調次第でそのままもあり得ると思いますし、当日変更もあると思います。やはり箱根の距離は怖いですからね。東洋は柏選手が入っていますね。ここのところ4区で後退するケースが見られていますので、安定した走りができる柏選手をここに置いてきました。東洋としてはここも追い上げる区間にしたい。東国はムセンビ選手がエントリーされていますが、ヴィンセント選手との交代もあるかもしれません。ただ、万全であれば隠す必要もないと思うので、気になりますね。創価の嶋津選手は楽しみな存在です。おそらく上位にいるでしょうから、前々回大会のようにトップに立つ展開も期待できます。國學院は鶴選手がエントリーされていますが、当日変更で中西選手が登場するかもしれず、そうなると前を追いかけることができるアドバンテージ区間とできそうです。
<5区>
有力選手:若林(青学)、金子(駒澤)、前田(東洋)、阿部(中央)、伊地知(國學)、吉川(明治)、山本唯翔(城西)、伊藤(早大)
前回結果を残している青学若林選手、駒澤金子選手、中央阿部選手辺りは順当にエントリーされました。ここは稼ぐ区間にできますよね。東洋は前田選手、國學院は伊地知選手とチームの主力が初めての山に挑みますが、どうなるか。明治吉川選手、城西山本選手は山上りの適性があるので、ここでしっかりとシード権内に入ってきたい。順天堂は万全であれば四釜選手が当日変更が入ってくるので、ここも追い上げられそうです。
<往路順位予想>
1位:駒澤、2位:青山学院、3位:創価、4位:國學院、5位:中央
<6区>
有力選手:若林(中央)、濱野(創価)、島﨑(國學)、武田(法政)、北村(早大)、川上(東海)
前回結果を残している、中央若林選手、創価濱野選手、法政武田選手、東海川上選手は今回も区間上位に入ってくるでしょう。一方、青学は西川選手、順天堂は村尾選手、駒澤は帰山選手、東洋は西村選手と上位に入りそうな大学は初登場の選手が多くエントリーされており、ちょっと読めないです。復路のスタート6区で勢いを付ける大学はどこになるか。差がつきやすい区間ですので、シードを狙う大学は区間上位で走り切りたい。
<7区>
有力校:佐藤一世(青学)、海老澤(順天)、安原(駒澤)、熊崎(東洋)、白川(中央)、葛西(創価)、上原(國學)、小指(早大)
青学は佐藤一世選手、駒澤は安原選手とやはり選手層が厚いですよね。単独走のケースが多く、一人でも淡々と押していける選手を配置しているのでしょう。ここからは青学、駒澤が他校を置いていき一騎打ちという展開も想像されます。3位からシード権までは大きな差がつかないことが想像され、一つのミスが命取りになりますので、ここからはミスなくタスキをつなぐことが求められます。
<8区>
有力校:荒巻(青学)、平(順天)、花尾(駒澤)、網本(東洋)、中澤(中央)、桑田(創価)、高山(國學)、伊福(早大)
青学はそのまま荒巻選手となるか、それとも強力な控えメンバーと交代あるか。一方の駒澤は花尾選手をここに配置し、勝負を決めたいところ。中央は前回も好走している中澤選手で上位進出を確実なものにしたい。東洋は網本選手、國學院は高山選手、早稲田は伊福選手と初めての箱根の選手です。8区も差がつきやすい区間ですので、ロード型でミスなく安定して走れる選手を配置して9区に繋げたいところ。
<9区>
有力校:塩出(青学)、藤原(順天)、山野(駒澤)、九嶋(東洋)、湯浅(中央)、緒方(創価)、坂本(國學)、菖蒲(早大)
青学は塩出選手がエントリーされていますが、優勝争いをする中、9区に1年生を配置するかどうか。順調であれば、控えの中村選手が入るような気がします。駒澤は山野選手ですので、8区で決定打とした勢いをしっかりと繋ぎたいところ。3位以降は前回同様目まぐるしく順位が変わる展開になると思います。多くの大学で上級生を起用しているのもこの区間が重要である証拠ですね。
<10区>
有力校:中倉(青学)、内田(順天)、青柿(駒澤)、清野(東洋)、助川(中央)、石丸(創価)、瀬尾(國學)、辻(早大)
青学は今回も中倉選手がエントリー。前回は中倉選手と駒澤青柿選手の差は約2分でした。ここでこの差がつく可能性があることを考えると、10区で逆転ということも十分に考えられます。優勝争いも最後までもつれると思います。東洋はここに清野選手をエントリーしています。前回終盤に猛烈に追い上げたあの姿はかなり印象的でしたが、今回もその走りの再現となるか。最後の最後までシード権争いも非常に面白くなることでしょう。
<総合順位予想>
1位:青山学院、2位:駒澤、3位:中央、4位:東洋、5位:國學院
やはり、箱根の青山学院は脅威だと思います。選手層・ピーキング力・乗った時の勢い・近年優勝を最も知るなど箱根を制するためのプラス要素が多いように思います。ただ、今回は前回のように復路の早い段階からピクニックランというわけにはいかないでしょう。駒澤も本気で三冠を狙っており、チーム状態も良いと思います。優勝候補筆頭であり、往路でどれだけ青学に先行できるかが求められます。往路終了時点で青学に1分30秒差をつけておきたいでしょう。3位以降も非常に混戦になると思います。どこも選手は揃っているので、ミスをした大学から一つずつ上位進出が苦しくなってくるでしょう。安定して区間一桁で走ることができた大学が3位から5位までを占めることになると思います。今回は前回以上に復路で順位が変わるように思います。そのため、前回復路の実績がある中央や東洋が復路で盛り返してくるのではないかなと考えています。